あらすじ

時は21世紀中頃―舞台は、日本。長引く政治的混乱により中央政府の威信は失墜、国内は群雄割拠の様相を呈していた。

「どうしてこんなにも政治が悪くなってしまったのか?」
「まともな政治家を選べない国民たちのせいではないか?」


そんな、衆愚政治に対する批判の高まりを受け、中央政府はついに、知性に優れた為政者を選出する画期的な仕組みを導入した。

その名も、『日本国大統領総戦挙』

すなわち、天下を目指す権力者同士が知性を示す闘い―“戦挙”、ある人はこれをクイズバトルと呼ぶ―を繰り広げ、最後まで勝ち残った者を国家元首たる日本国大統領とすることにしたのだった。


Episode 1「おざわのやぼう」

4年に一度行われ、勝った者は国家元首として絶大な権力を持つことができる『日本国大統領総戦挙』。 「もっとも知性に優れた者が国を治めるべき」という思想から、日本国籍さえあれば誰でも、年齢にかかわらず立候補することができる。

岩手県からは、おざわちゃんという一人の少女が、総戦挙への立候補を宣言した。 おざわちゃんは年端も行かぬ●学生だが、自他共に認める頭脳を持ち、県内では誰よりも賢いと自信を持っていた。
事実、今回の総戦挙には、各地の天才美少女たちが続々と、大統領を目指して名乗りを上げている。 その中には、おざわちゃん一族にとって因縁の好敵手(ライバル)、あべちゃんがいた。あべちゃんは山口県の代表で、過去に何人もの国家最高権力者を輩出した一族のプリンセスだ。21世紀初頭には、あべちゃんのご先祖様がおざわちゃんのご先祖様を退け、2度も国家権力を手中に収めている。

おざわちゃんは決意した。21世紀初頭に政権交代を成し遂げながらも、ついに国家権力を手中に収められなかったご先祖様の雪辱を、私が晴らして見せる!と。
果たしておざわちゃんは、日本全国に散らばる強豪たちを蹴散らし、悲願の大統領の座を掴むことができるだろうか?