コミケ&マラソン作戦(前編)
☆きっかけ
世界一周から無事帰ってきて暫く経った10月のある日、某友人が私にあるマンガを紹介してくれました。
そのマンガの名は、「ひだまりスケッチ」。
芳文社のまんがタイムきららCaratで2004年から連載されているマンガで、作者は蒼樹うめ先生です。
私は、そのマンガにとってもハマりました。それはもう、ハマりました。
それをきっかけに、その友人とマンガとかアニメとかゲームとかラノベとかについて語り合うようになりました。
彼が元来そういう分野にたいそう興味を持っていたことは知っていたのですが、私も意外と彼の話についていける事が分かりました。
その中で、彼が2007年8月に「コミックマーケット72」に行った時の話を聞きました。
それは同人誌即売会の一つで、何万人もの人が自分達の作った本(ゲーム、CDなど)を持ち寄って販売するイベントだと知りました。
それを聞いて何か面白そうだと思ったので、「コミックマーケット73」に行ってみようじゃないかと思い立ちました。
そうと決まればまずは、コミックマーケット略してコミケについての下調べです。
…コミックマーケットは現在、1年に2回、お盆前後と年末にそれぞれ3日間ずつ行われている。
3日間とも同じビッグサイトという建物を借り切って行われるが、売られる同人誌のジャンルは日毎に違う。コミケ73の場合、
1日目はアニメ・ゲーム・音楽・テレビ・スポーツなどに出てくるキャラクターや人をネタにした同人誌が主体。
2日目は、週刊少年ジャンプのキャラクターをネタにした同人誌をはじめとして、女性向の作品が主体。
3日目は、男性向の同人誌や同人ソフトが主体。
初めての参加で3日ともはキツイだろうと思ったので、どれか1日に参加することにしました。
朝森はこの時点で19歳の男性ですし、同人ソフトは作った事もあるので非常に興味があります。
…同人ソフトって言うとピンと来ない人がいるだろうから例を挙げておくと、
「ひぐらしのなく頃に」や「東方Project」など。
拙作「全力疾答!クイズマラソン」も入ってると言えば入っている、はず。
ゲーム以外にも、CG集やBGM集など、幅広いジャンルがここに含まれている。
という訳で、3日目に行ってみる事に決めました。
でも、私が今住んでいるところから東京までは結構離れているのに、たった1日で行って帰ってくるのはちょっと勿体無い気がしました。
先の友人は、どうも今回のコミケには行けなさそう、ということもあったので、せっかくだからとコミケのついでにどこ行こうかと考えてみました。
とは言え私は既に日本一周で、その辺りの都県は全て行っていました。それに、男独りでディズニーランドや温泉に行ってもむなしいだけです。
元旦に大学生男子独りで行っても良さげな所を考えて、思い浮かんだのは「初日の出」でした。
ちょちょっと調べてみると、何と、千葉県の犬吠崎で、日本で一番早く初日の出が見られる(午前6時46分頃)という事実を知りました。
北海道の根室じゃないんだ、と驚きつつも、千葉県だったらコミケの後に寄りやすい…と思いました。
さて、そうこうしている内に、12月になりました。
寒くなったので、何か走りたい気分になりました。その時ふと、「フルマラソン走れたら面白いだろうなぁ」と思いました。
そこで試しに、14.1km、つまりフルマラソンの3分の1を走ってみることに。
2時間近くかかりましたが、特に問題なく走り切れました。「これならフルマラソンは、6時間くらいでいけるんじゃない?」と感じました。
そして、突然閃いたのです。
「初日の出スポットめがけて、フルマラソン走ったらどうだろう!?」と。
1月1日午前0時にスタートし、42.195km走っても、初日の出が出る時間までにそのスポットまで辿り着けるだろう、
例え日本で一番早いと言われる犬吠崎であっても。
わくわくしながら私は、犬吠崎から42.195kmって言うとどこら辺だろうと調べてみました。
さすがにお台場のビッグサイトからでは遠すぎでしたが、元日らしい場所がヒットしました。それが、「鹿島神宮」でした。
とある地図サイトでルート計測をしたら、鹿島神宮から犬吠崎まで42.2kmと出ました。まさに奇跡の発見。
いやむしろ、これはもはや運命なのでは!?
☆やけに効率の悪い準備段階
このような経緯で前述の概要にあるような計画が立案されました。後はこれを実現すべく、念入りに準備に励むだけです。
まずコミケに向けて、「カタログ」と呼ばれるパンフレット的なものを購入しました。
…パンフレット的とは言え1000ページを超える代物、電話帳に匹敵する分厚さ。
それもそのはず、「カタログ」には3日間のコミケでサークル参加(つまり、同人誌などを売る人たち)
する3万5千のサークル一覧が載っているのだから。
私はこれを、10時間くらいかけてとりあえず一通り読みました。
次に、3日目に参加する1万2千近くのサークルの中から、目ぼしいサークルをチェックする作業に入りました。
…サークルの一覧には5cm四方程度のカットがずらーっと載せられており、
カットには各サークルの宣伝がイラストや文章によって表現されている。
私はこれを全て眺めて、かねてより自分が知っていたサークルや、カットが自分の琴線に触れるサークルのカットに印をつけていきました。
なおこの時、蒼樹うめ先生がサークル「apricot+」で同人誌を出す事を知りました。
これに10時間くらいかかりました。
そしたら、印の数は175にも達しました。
常識的に考えて、1日で、しかも独りで175ものサークルに出向いて買い物をするのは無理があります。
そこで私は、175のサークルに優先順位をつける事にしました。
サークルがサイトやブログを持っているなら、それを全てブックマークしました。
そしてそれらを逐一見比べ、順位をつけていきます。
下の方の順位は買う確率が低いこともあり、同率○○○位として5サークルくらい一括りにして済ませましたが、
50位くらいまでは同率無しで厳密に分けました。勿論1位は、蒼樹うめ先生のサークル「apricot+」です。
順位付けの作業には、大体3時間×10日=30時間くらいかけました。
お陰で年末〆切のレポートをほぼ徹夜で仕上げる事になったのは、ご愛嬌です。
あとは出来るだけ、優先順位の高いサークルの同人誌、同人ソフトなどが買える様に、当日行動するだけです。
一方、フルマラソンを走るための準備も怠りませんでした。
1月1日にピークが来るように、12月の間に長距離に体を慣らしていく作戦を考えました。それが、「ビルドアップ方式」です。
12月の3日頃に、フルマラソンの3分の1、つまり6分の2である14.1kmを走りました。この時、1月1日まで大体4週間ありました。
そこで、その1週間後には6分の3(約21.1km)を、2週間後には6分の4(約28.1km)、3週間後には6分の5(約35.15km)走りました。
こうすることで、約4週間後である元日には丁度、6分の6走れる体になっていると言う寸法です。
ちなみにコースは今住んでいるところの周辺で、某地図ソフトのルート検索機能で決めていきました。
なお、給水所も必要だろうと言う事で、およそ7km毎にスーパーやコンビニに立ち寄り、少し足を休めつつ飲み物を買っては飲んでいました。
練習時はいずれも、6分の1につき1時間を切る事が出来、この分なら6時間くらいで走り切れるだろうという自信をつける事が出来ました。
大掃除などは犠牲になってしまいましたが、以上の準備をこなし、31日の早朝、東京に降り立つ事になります。
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